「生前贈与」と聞いたとき、真っ先にイメージするのは、「贈与税が高そう」というものではないでしょうか。

実際、贈与税は10%から最高55%もの税率となっている累進課税で、贈与する額が大きくなる程、高い税率の贈与税が課せられる仕組みとなっています。

ただ、制度や法律の仕組みを正しく理解をして上手に利用すれば、贈与税を納めることなく(もちろん、合法的に、です。)、生前贈与をすることができます。

そこで、今回は、生前贈与の贈与税が非課税となるケースについてご紹介します。

生前贈与が非課税になるケース

 生前贈与が非課税になるパターンは、主に以下の7つがあります。

  1.  暦年課税の基礎控除
  2. 相続時精算課税の特別控除額
  3. 夫婦間の自宅等の贈与(配偶者控除)
  4. 住宅取得等資金の贈与の非課税枠
  5. 教育資金の一括贈与の非課税枠
  6. 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税枠
  7. 特定障害者の贈与の非課税枠

以下、それぞれのパターンについて見ていきましょう。

 1.暦年課税の基礎控除

ある方が1年間に贈与を受けた財産のすべての価額を合計した額が110万円以下であれば贈与税は課税されません。

贈与税には、年間110万円の基礎控除(非課税枠)があることから、この基礎控除内に収まっている贈与であれば、贈与税は発生しません。

 2.相続時精算課税の特別控除額

「相続時精算課税制度」とは、原則として60歳以上の父母(又は祖父母)から、18歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる制度で、最大2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない特別控除です。

2,500万円まで贈与税が非課税で生前贈与するできるため、まとまった額の財産を贈与税なしで子や孫に贈与することができます。

なお、基礎控除(110万円)に加えて相続時精算課税制度を利用して2,500万円を超える贈与をした場合、その超えた部分に対しては一律20%の贈与税が課税されます。

3.夫婦間の自宅等の贈与(配偶者控除)

結婚してから20年以上経過している夫婦が、居住用不動産(又はその購入資金)を贈与した場合、110万円の基礎控除に加え、最大2,000万円の控除が適用されます。

ただし、贈与される不動産や購入資金で得た不動産は、贈与を受けた翌年の315日までに、贈与を受けた人が実際に居住しており、今後も継続して居住する予定である必要があります。つまり、セカンドハウスや別荘、これらの購入資金の贈与は対象外です。

 4.住宅取得等資金の贈与の非課税枠

202411日から20261231日の期間中に、直系尊属から受けた贈与金で家を新築したり増築したりする場合、その住宅の性能等により、次のように贈与税が非課税となります。なお、受贈者が贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額2,000万円以下であることが要件となります。

省エネ住宅:最大1,000万円まで

その他の住宅:最大500万円まで

 5.教育資金の贈与の非課税枠

201341日から2026331日までの期間内に、30歳未満の子や孫が教育資金として贈与を受けた場合、最大1,500万円までの贈与税が非課税になります。

ただし、この特例を受けるためには、贈与が金融機関との教育資金管理契約に基づいて行われたものであることを証明する必要があります。

その方法としては、金融機関との間で教育資金としての専用口座を開設した上で、受贈者が教育資金として引き出す必要があります。

 6.結婚や子育て資金の贈与の非課税枠

201541日から2025331日までの間に、18歳以上50歳未満の子や孫が結婚や子育て資金として贈与を受けた場合には、最大1,000万円まで贈与税が非課税となります。

この特例を受けるには、贈与が金融機関との結婚・子育て資金管理に関する契約に基づくものである必要があります。

 7.特定障害者の贈与の非課税枠

障がいをお持ちの方は生活や就労に一定の制約を受ける場合があることから、贈与の非課税枠が設けられています。特定障害者に該当する方であれば最大6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者は最大3,000万円まで贈与税が非課税となります。

なお、この非課税制度の適用を受けるためには、信託銀行等に財産を委託する必要があります。

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