財産を「あげる」はNGです

遺言書は遺言者がご家族などに遺す最後のメッセージである。

実はこれ、半分くらいは正しいのですが、半分くらいは正しくありません。

遺言書はあくまで遺言者が自身の死後(=相続開始後)における相続について、予め遺言書に記載しておくことで、遺産の帰属など相続に関する遺言者の意思を明確にするためのものですから、ご家族など大切な方に対するメッセージとは一線を画するものとお考え下さい。遺言書は法律の定める要件に従い、法律の定める内容のみ記載することが許されるものだからです(「付言事項」といって遺言の効力には直接影響しない希望やお願い事などを記載することは認められます)。

もちろん、ご家族などに対するメッセージ性を有することは否定しませんが、愛あるメッセージを遺されたい場合には、遺言書といった形式に縛られずに普通に手紙を書いたりビデオレターのようなものをお作りになった方がより効果が高いかもしれません。

遺言書は法律の要件を充たす形式で作成されることが必須であり、その表現においても誰がどう読んでも解釈が分かれるような書き方になってはいけないのです。

代表的な誤った言い回しが財産を「〇〇に××をあげる」といった書き方をしてしまうケースです。

他にも

  • 与える
  • 託す
  • 任せる
  • 譲る
  • やる

などなど、挙げるといくつもの例が思い当たります。

もちろん、遺言者の意思を合理的に解釈すれば、
「あー、この人はあの人に財産を相続させたかったのね。」
と考えることはできるのですが、意地悪な見方をすれば
「任せるって書いてあっても、管理を任せるってだけかもよ。」
とか
「”あげる”ってどういう意味ですか?上に持ちあげるの?」なんて子供の言うようなことを言い出す人もあるかも知れません。

ですから、遺言書を作成する上では、必ず下記のような表記を心がけてください。

相手が法定相続人である場合

配偶者や子など法定相続人となるべき方には、「〇〇に××を相続させる」と記載します。

相手が法定相続人以外の場合

法定相続人以外の方(内縁の妻や遠縁の親類・友人など)には、「〇〇に××を遺贈する」と記載します。
もし、子がある状況で孫などに財産を継がせたい場合には孫は法定相続人ではありませんから、「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載します。
また、遺贈については、上記のように財産を特定する遺贈(特定遺贈)と財産を特定しないでする遺贈(包括遺贈)があり、後者の場合には
「〇〇に全財産を包括的に遺贈す」などと記載します。

 

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