障がいのある方の遺言書作成

声を発することができない方や文字を書くことができない方など、身体的に不自由がある場合には、遺言書を作成することはできないのでしょうか。

この点について、遺言書の種類に応じて紹介します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、本人が遺言を行う意思のもとで全文を自書をすればよいとされていますから、文字を書くことができれば、声を発することができなくとも、聴力が失われている方でも遺言をすることができます。視力については、一般に判読可能な文字が書ける状況であれば良いのですが、これが難しいほどの視力であった場合には、自筆証書遺言の作成は難しいと言えます。

(自筆証書遺言)
第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
 以下省略

公正証書遺言

公正証書遺言作成の際には、原則として、遺言者から公証人への遺言の趣旨の口授することや公証人から遺言者への遺言の読み聞かせ・閲覧が必要とされています。

ただし、声を発することができない方や聴力が失われた方であったも、公証人の読み聞かせにかわって通訳を介したり、口がきけない人や耳が聞こえない人については、筆談や手話を利用することで、公正証書遺言を作成することができます。

(公正証書遺言)
第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

(公正証書遺言の方式の特則)
第969条の2 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

民法

秘密証書遺言

秘密証書遺言の作成についても、原則として、遺言者が公証人や証人に対して封書に封入した遺言書が自己の遺言書であることや、その氏名、住所を申述する必要がありますが、声を発することができない人について、申述に代わる方法として通訳を介する方法などが認められています。

(秘密証書遺言の方式の特則)
第972条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。

民法972条

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